それはとても晴れた日で。。。

未来なんていらないと想ってた、うつと戦う18歳のブログ。

スズラン。

お願い  忘れて

どうか私のことは

あなたはいつか  私を忘れてしまうでしょう

 

 

ある春の日  僕は草原を歩いていたんだ

丘の上  一人でたたずむ君に出会ったんだ

長い髪が風になびいて  白いワンピースがよく似合っていて

どこか大人びていて  僕の目を見ると  優しく微笑んでくれた

 

それから僕らは  毎日二人で話をしたんだ

揺れる草  僕が好きな空の話  君が好きな陽の光の話

本当は内容なんて  どうでもよかったんだ

君と二人きりで話せること  君の横顔を

そっと眺めることが恥ずかしくて  照れくさくて

 

好きなんだよ  スズラン

君の声を聞くたび  胸の鼓動が高鳴って

赤く染めた頬を  バレないように隠しながら

好きなんだよ  スズラン

もしも  こんなこと言ったら君は

バカね  っていつもみたいに  こんな僕に微笑んでくれるかな

 

 

ある雨の日  僕はまた君に会いに行ったんだ

木の下  君は一人雨宿りをしていたんだ

僕の目を見るといつものように優しい表情で

遅いわよ  って少しおどけながら  君は僕に微笑んでくれたんだ

 

それから僕らは  二人で傘に入って歩いたんだ

雨の音  君は相変わらず  透き通るような白い肌

本当は何でもいい  君の声がただ聞きたくて

つい口走った言葉が  好きな食べ物は何ですか

落ち込む僕を気にせず  陽の光と水が好きよ

 

好きなんだよ  スズラン

思わず笑ってしまった  僕を見て

その真っ白な頬膨らませて  何が悪いのよ  という姿も

それから  僕の笑う姿に

君も楽しそうに笑ったんだ

まだ  僕の名前は読んでくれないけれど

その笑顔は  きっと  長くは続かないのでしょう

 

 

ある夜の日  僕らは空に輝く星を見たんだ

きれいね  という君に  うん  としか答えられなくて

それから  僕は君に  過去の話をしたんだ

僕の手を握り

辛かったでしょう  私はあなたの光になれたかな

なれたよ  その次の言葉が取り出せなくて

胸が騒いで  手を強く握った

バカね  と君は静かにつぶやいた

 

 

ある晴れた日  僕は気づいていたんだ

丘の上  今日が  君との別れの日だと

 

 

行かないでよ  スズラン

君は僕の中の  唯一の光なんだよ

大好きなんだよ  スズラン

愛してるんだよ  スズラン

泣きじゃくる僕の顔に  君はそっと口づけを残して

命はいつか消えるものよ

でもあなたはまだ消えないで

たとえ  私のことを  忘れてしまったとしても

 

泣かないでよ  スズラン

この僕が  おじいさんになっても

何十年  何百年  経とうが君のことを  忘れやしないよ

僕は生きるよ  スズラン

それが君の願いだから

君は嬉しそうに笑いながら  赤く頬を染めながら

初めて  僕の名前を  読んでくれたんだ

 

 

ありがとう   大好き

 

 

さよならだね  スズラン

君の笑顔が  きれいに散ってゆく

笑顔でお別れできたんだ

嬉しくて  涙が止まらないよ

いつまでも  心に咲いているよ

僕が君を忘れなければ

いつか  また  会えるよね

スズラン